小売店の集客方法は、目的別に3つへ分けると選びやすくなります。新規客を呼ぶ施策、来店頻度を上げる施策、客単価を上げる施策の3つに整理できます。先に伸ばす目的を決めてから、対応する施策に着手してください。12の施策それぞれについて、向いている店舗と費用の考え方、効果測定の指標を示します。
催事やイベントを使った集客は、商業施設向けの記事で詳しく解説しているため、あわせてご確認ください。
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新規客を呼ぶ施策
新規客を呼ぶ施策は、店舗をまだ利用していない人へ存在と来店理由を伝えることが目的です。届ける範囲と伝える内容を決めてから手段を選ぶと、配布や配信の無駄を減らせます。紙の配布から検索やSNS、応募企画まで4つの施策を取り上げ、確認する指標もあわせて示します。
1. チラシ・折込
チラシ・折込は、店舗周辺の世帯へ紙面で特売や催事の情報を届ける施策です。配布エリアを指定できるため、来店の動機を作りやすい点が向いています。紙面を見て来店する層が残る住宅地の店舗や、来店客の年齢層の高い店舗での活用に適しています。費用は、印刷費と配布費が部数に比例して増える構造です。
デザインを外注する場合は制作費が加わります。効果測定では、配布エリア別の来店客数と掲載商品の販売点数を配布日の前後で比較します。
2. Googleビジネスプロフィールの整備
Googleビジネスプロフィールの整備は、地図検索や店名検索で表示される情報を最新に保つ施策です。営業時間や駐車場、取扱商品の写真を更新すると、来店前に必要な情報が伝わります。近隣からの検索で来店を決める層が多い店舗や、改装や移転の直後の店舗に向く施策です。
登録と更新は無料で、写真撮影や運用を外部へ委託する場合のみ費用が発生します。効果測定では、管理画面で確認できる表示回数とルート検索数、電話発信数の推移を見ます。
3. SNSでの情報発信
SNSでの情報発信は、入荷情報や売場の様子を継続して伝え、来店のきっかけを作る施策です。写真や短い動画で商品の状態を伝えられるため、生鮮や惣菜との相性があります。撮影と投稿を担当できる従業員がいる店舗に向いています。費用は、アカウントの開設と投稿が無料で、広告配信を行う場合にだけ発生する構造です。
効果測定では、投稿ごとの保存数とリンクのクリック数、対象商品の販売点数を確認します。投稿の頻度は、更新を続けられる範囲で決めます。
4. オープンキャンペーン
オープンキャンペーンは、商品購入の有無に関わらず誰でも応募できる形式の企画です。参加の条件がないため、店舗をまだ知らない層にも届きやすくなります。新規出店やリニューアルの直後の店舗、SNSのフォロワーを増やしたい店舗に適します。費用は、景品費と応募受付の仕組みにかかる費用が中心です。
受付を自動化できる仕組みを使えば、参加者が増えても運用の負担は増えにくくなります。効果測定では、応募数と応募者のうち来店に至った割合を確認します。
来店頻度を上げる施策
来店頻度を上げる施策は、一度来店した顧客と再び接点を持ち、次の来店日を作ることが目的です。連絡先や購買履歴が残っているほど、案内を届ける対象を絞り込めます。会員化から応募企画まで4つの施策を取り上げ、必要な仕組みと確認する指標もあわせて示します。
5. アプリ・LINE公式アカウントの会員化
アプリやLINE公式アカウントの会員化は、来店後の顧客と継続して連絡できる経路を作る施策です。登録した顧客へ特売や新商品の情報を直接届けられるため、来店の間隔が空いた顧客にも案内できます。会員証やクーポンを日常的に使う顧客が多い店舗に向く施策です。
費用は月額のシステム利用料と配信数に応じた料金が中心で、既存の会員基盤を使えば開発を抑えられます。効果測定では、会員登録数と配信後の来店率、会員と非会員の来店回数の差を確認します。
6. ポイント・マイレージプログラム
ポイントやマイレージのプログラムは、購入金額や来店回数に応じて特典を付与する施策です。購入頻度が高い食品や日用品の店舗に向き、貯まる過程を示すと再来店の動機になります。費用は、特典の原資と付与や交換を管理する仕組みの運用にかかります。
運用を始める前に付与率と交換条件を決めておくと、原資の見通しが立てやすい状態です。効果測定では、会員1人あたりの来店回数と特典の交換率、交換後の再来店率を確認します。
7. 購入者限定レシートキャンペーン
購入者限定のレシートキャンペーンは、対象商品を買った証明として応募を受け付ける形式です。商品購入を必須条件とするマストバイキャンペーンにあたります。応募できる人が購入者に限られるため、販売への効果を実績の数値と照らして確認できます。
特定の商品を伸ばしたい店舗や、メーカーと共同で企画を行う店舗に向く施策です。費用の中心は景品費と応募システムの利用料で、確認作業の自動化によって工数が変わります。効果測定では、応募数と対象商品の販売点数、応募者の再購入率を確認します。
8. DM・クーポンによる再来店促進
DMやクーポンによる再来店促進は、来店が途切れた顧客へ個別に案内を送り、次の来店を促す施策です。対象を絞って送れるため、会員情報と購買履歴が残っている店舗に向き、送付ごとの効果も確認しやすくなります。費用の内訳は印刷費と送付費、デジタル配信なら配信料金で、対象者数に比例します。
送付の対象は、前回の来店日で区切ると絞り込みやすくなる点が利点です。効果測定では送付数に対する来店率と利用率を確認し、購入金額を送付の前後で比較します。
客単価を上げる施策
客単価を上げる施策は、来店客数を増やさずに1回の買い物の金額を上げることが目的です。売場での気付き、購入条件の設計、品揃えの調整という3方向から進められます。4つの施策について、着手しやすさと確認する指標をあわせて示す構成です。
どの施策も、売場や会員制度の運用とあわせて進めると、効果を確認しやすくなります。
9. 関連商品のクロスセル陳列とPOP訴求
関連商品のクロスセル陳列は、一緒に使う商品を近くに並べて購入点数を増やす施策です。売場で気付いてもらえるため、来店客数を動かさずに購入金額へ働きかけられます。生鮮と調味料や朝食向けの商品など、組み合わせが想像しやすい売場に向く施策です。
費用はPOPの制作費と陳列の作業時間が中心で、外部への発注なしで着手できる場合もあります。効果測定では、対象商品の併売率と1会計あたりの購入点数を変更の前後で比較します。
10. まとめ買い・買い回りを促す応募設計
まとめ買いを促す応募設計は、複数商品の購入や一定金額以上の購入を応募条件にする方法です。条件を満たすために追加で商品を選ぶ行動が生まれ、客単価の改善に結びつきます。関連商品の品揃えが広い店舗や、複数のメーカーと共同で実施する店舗に向く設計です。
費用は景品費と応募システムの利用料が中心で、レシートを複数枚合算できる仕組みを使うと条件設計の幅を広げられます。効果測定では、応募1件あたりの購入金額と条件の達成率を確認します。
11. 会員ランク・上位顧客向け特典
会員ランクは、購入金額や来店回数に応じて特典の内容を変え、上位の顧客に継続して利用してもらう仕組みです。ランクの条件を示すと次の購入への動機が生まれ、購入の頻度に幅のある顧客層を抱える店舗に向きます。費用の中心は、特典の原資とランク管理の仕組みです。
既存のポイント制度に段階を追加する形であれば、新しい仕組みを開発せずに始められます。効果測定では、ランク別の購入金額と来店回数、ランク上昇後の変化を確認します。
12. 購買データに基づく品揃え・棚割りの見直し
購買データに基づく品揃えの見直しは、売れ行きの差を確認して棚の配分を調整する施策です。来店客が求める商品を切らさない状態を作れるため、1回の買い物で必要なものを揃えられます。POSデータや応募データがそろっている店舗に向く方法です。
費用は分析にかかる人件費が中心で、外部の分析サービスを使う場合に利用料を追加します。効果測定では、対象カテゴリーの販売点数と欠品の発生回数、1会計あたりの購入金額を確認します。