効果測定を成立させるには、実施前に成功条件、データの取得元、比較対象を決めます。指標名だけを企画書へ書いても、取得方法や比較方法が未定では成果を判断できません。担当者、取得時期、集計条件まで割り当てておくと、実施後の確認が進めやすくなります。
何をもって成功とするか
最初に決めるのは、キャンペーンの最優先目的です。認知向上、購買促進、会員獲得、継続購入などから目的を定め、最終的な目標を示すKGI(重要目標達成指標)と、途中経過を示すKPI(重要業績評価指標)を分けます。応募数はKPIになり得ますが、応募条件やキャンペーン形式は、成果を測る指標ではなく施策の設計要素です。主要指標を3〜5個に絞り、目標値の根拠、判定日、達成時に続ける施策まで決めます。
目的ごとのKGI・KPIの例は次のとおりです。数値は、過去の実績や予算に合わせて設定してください。
| 目的 |
KGIの例(最終的な目標) |
KPIの例(途中経過) |
| 認知向上 |
指名検索数を前年同月比◯%増にする/対象商品の認知率を◯%にする |
リーチ数、サイト流入数、応募開始数 |
| 購買促進 |
対象商品の販売数を前年同月比◯%増にする |
応募数、応募完了率、応募者の購入数 |
| 会員獲得 |
キャンペーン期間中の新規会員登録数を◯人にする |
応募時の会員登録率、登録完了率 |
| 継続購入 |
キャンペーン参加者の再購入率を◯%にする |
再応募率、購入間隔 |
KGIは「何を、どの比較対象と比べて、どれだけ変えるか」まで書くと判定しやすくなります。購買促進が目的なのに、KGIを応募数だけにすると、購入が増えたかを判断できません。応募数はKPIに置き、KGIには販売数など購買を確認できる指標を選んでください。
過去の施策を基準にする場合は、対象商品、期間、媒体、応募条件が今回と近いかを確認します。比較できる実績がなければ、初回を基準値の取得機会と位置付けます。
どのデータをどこから取るか
各指標について、取得元、取得担当者、取得時期、保存形式、識別単位(会員IDなど、同じ利用者かどうかを見分ける単位)を決めます。SNSや広告の管理画面では認知と反応、Web解析ではサイト内行動、応募システムでは参加状況、レシートやPOSでは購買を確認します。異なるシステム間で同じ利用者を識別できない場合、数値を単純に合算・突合しないよう注意してください。
必要なデータの保有者、取得権限、提供時期も決めます。個人情報を取得する場合は、利用目的、同意、保存期間、共有範囲を企画段階で整理します。
Webキャンペーンの応募方法や運用設計は、Webキャンペーンの応募方法と運用設計の解説で確認できます。
比較する相手を決める
効果を判断するには、結果を何と比べるかを実施前に決めます。代表的な方法は、前年同月、未実施エリア、実施前後の比較です。各方法には弱点があるため、一つの差だけをキャンペーンの効果と断定せず、商品、価格、配荷(店頭への商品の行き渡り具合)、季節性、競合施策などの条件を確認します。
| 比較方法 |
向いている状況 |
主な弱点 |
実施前の確認 |
| 前年同月 |
季節商品の同時期比較 |
前年の販促や市場環境が異なる |
商品、価格、配荷、販促条件 |
| 未実施エリア |
実施有無の地域比較 |
商圏や店舗構成が異なる |
対象者、店舗、売上規模の類似性 |
| 実施前後 |
同じ対象の時系列比較 |
自然増や他施策の影響を受ける |
比較期間、季節性、他施策、欠測 |
前年同月は季節性をそろえやすい反面、前年と商品の配荷や販促条件が異なる場合があります。未実施エリアは実施有無を比べられますが、商圏の差を調整できるとは限りません。実施前後は分かりやすい一方、値上げや店頭露出など同時期の変化も含みます。複数の比較を用意できる場合は、同じ方向の変化が見られるかを確認してください。