オープンキャンペーンとは?
4つの種類やメリット・企画事例をご紹介

オープンキャンペーンとは?4つの種類やメリット・企画事例をご紹介

「自社商品の公式アカウントのフォロワーを増やしたい」
「自社サービスをもっと広め、潜在顧客を取り込みたい」

効果的な販促キャンペーンを実施したいと思うものの、どのようなキャンペーンを企画すればよいかわからず、施策の立案ができないという悩みはよく耳にします。

販促キャンペーンと一言でまとめても、目的によってさまざまな手段があります。その中でも自社商品のPRやブランド認知を狙うなら、オープンキャンペーンが有効手段の一つでしょう。

近年のオープンキャンペーンは、拡散性に優れたSNSを利用したものが増えており、フォロワー獲得と認知拡大を同時に叶える点が人気の理由です。

この記事では、オープンキャンペーンの種類や実施するメリット、クローズドキャンペーンとの違いを含め、企画事例まで詳しくご紹介します。

オープンキャンペーンとは?

オープンキャンペーンとは、端的に言うと「誰でも応募可能」で「商品の購入やサービスの導入が不要」なキャンペーンです。

応募の条件に「購入」や「導入」といった金銭的負担がない点が、応募者にとって最大のメリット。お金がかからない=気軽に参加しやすく、敷居の低いキャンペーンと言えます。

オープンキャンペーンは、拡散性の高いSNSと相性が良く、X(旧Twitter)をはじめInstagram、近頃ではTikTokを活用した企画も増加傾向にあります。

キャンペーンと似た表現で「懸賞」があります。「キャンペーン」と「懸賞」は同義で、特段使い分ける事由はありませんが、消費者にとっては「懸賞」の方が馴染みやすいでしょう。

オープンキャンペーンとクローズドキャンペーンの違い

販促キャンペーンには大きく分けて「オープンキャンペーン」と「クローズドキャンペーン」の2種類があります。双方の違いを簡単にまとめました。

キャンペーン応募条件参加対象景表法の規制景品の金額上限
オープンキャンペーン商品の購入やサービスの導入が不要誰でも参加可能対象外(※)1なし
クローズドキャンペーン商品の購入やサービスの導入が必要条件を満たした人のみ参加可能対象あり

【参照先】
https://www.businesslawyers.jp/practices/158
https://at-gift.jp/blog/basic-information/keihin-hyouji

オープンキャンペーンとクローズドキャンペーンは次の2点が大きく異なります。

  • 応募条件に金銭的取引があるか
  • 景品表示法の規制対象か

順番に見ていきましょう。

 

キャンペーンと応募条件


オープンキャンペーンは商品の購入やサービスを導入する必要がないため、参加者は費用の負担をせずにキャンペーンに参加できます。

購入や利用を強制されない分、景品が当たらなくても損をした気分になりにくく、企業イメージを損ないません。

売上に直結しづらい点が弱みですが、参加者を募りやすいため、商品の認知向上やブランドの浸透に向いています。

一方クローズドキャンペーンは、事前に商品の購入やサービスの導入といった金銭的な取引が必要です。

取引条件(応募条件)をクリアした人のみキャンペーンに参加できる点が、オープンキャンペーンとは異なります。

売上に直結する強みがある一方、応募条件を厳しく設定しすぎると、比例して参加人数も減少しやすくなります。応募条件・当選人数・魅力的な景品のバランスを綿密に検討する必要があるでしょう。

 

キャンペーンと景品表示法


販促キャンペーンと景品表示法は、密接な関係にあります。

「買う」「使う」「申し込む」といった金銭的取引が不要なオープンキャンペーンは、景品表示法の規制は適用されず、景品の金額に上限はありません。

景品金額を自由に設定できるので、豪華な景品を準備すれば集客の切り札にもなりますし、豪華な景品が当たる「可能性」も楽しめます。

ただし、賞品の引き換えを店舗で行う場合は、取引付随性が認められ、景品表示法の規制対象となるケースがあるので注意してください。

反対に、金銭的取引がないと応募できないクローズドキャンペーンは、景品表示法の規制対象となります。クローズドキャンペーンには以下3つの種類があり、それぞれ景品の限度額が異なります。

  • 一般懸賞
  • 共同懸賞
  • 総付景品

クローズドキャンペーンを企画する際には、自社の企画がどの懸賞に該当するかを確認し、景品の金額設定を誤らないよう注意しましょう。

【関連記事】
クローズドキャンペーンとは?景品表示法の注意点も合わせてご紹介

オープンキャンペーンの種類

オープンキャンペーンで使えるおもな媒体は、大きく以下4つに分類されます。

  • SNS(X(旧Twitter)・Instagram・TikTok)
  • LINE
  • WEB・アプリ
  • ハガキ

各媒体の代表的な企画を一覧にまとめました。

キャンペーンの種類代表的な企画内容
SNS
(X(旧Twitter))
(Instagram)
(TikTok)
フォロー&リポスト
フォロー&ハッシュタグ投稿
アンケートに回答
スロットなどのミニゲーム
ハッシュタグ付き動画投稿
LINE友だち登録
アンケートに回答
クイズに回答
WEB・アプリ無料会員登録
アンケートに回答
クイズに回答
スタンプラリー
スロットなどのミニゲーム
ハガキアンケートに回答
クイズに回答
スタンプラリー

コロナ禍以降、店舗でのイベントやキャンペーンが軒並み中止となり、来店誘致が難しくなったことでデジタルキャンペーンの需要が飛躍的に伸びました。

とくにSNSキャンペーンの急速な伸びには、オフラインで楽しめた娯楽の代わりに、SNSの利用需要が高まった背景があります。

プライベート中心だったSNSが、商品やサービスなどさまざまな情報源としても活用されるようになり、販促施策のデジタル化を後押ししたと言えるでしょう。

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オープンキャンペーンの種類①SNS


公式アカウントのフォローやリポスト、ハッシュタグつきコメントなど、日常的なSNS利用の延長でキャンペーンに参加できるため、応募を募りやすい媒体です。

もう一歩踏み込んで、アンケート回答やコンテスト形式、動画投稿などユーザー参加型のスキームとも相性がよいでしょう。

公式アカウントの新規フォロワー獲得やアカウントの活性化も狙えるので、自社のSNSをアクティブにさせたいときにも有効です。

 

オープンキャンペーンの種類②LINE


公式アカウントに友だち登録すれば、誰でも参加できるシンプルな仕組みです。単純に「友だち登録」を増やす、あるいは一度ブロックした友だちを再登録に促す目的にも向いています。

日本におけるLINE使用率は8割以上と言われており、LINEの利用割合は群を抜いています。一般的にメルマガの開封率は10~20%ですが、LINEの公式アカウントからのメッセージは開封率が約60%という高水準。

キャンペーンをきっかけに友だち登録を増やし、タッチポイントを広げていければ見込み顧客の取り込みにもつながります。

 

オープンキャンペーンの種類③WEB・アプリ


自社の公式アプリからキャンペーンサイトへ誘導させ、応募を募る設計です。自社アプリがない場合は会員サイトなどを利用して参加者を誘引できます。

景品を自社商品の引き換えクーポンにすれば来店誘致にもなるため、メーカーや小売業、飲食店などで頻繁に実施されています。定期的に繰り返すことで、アプリの休眠状態を防ぐ効果もあるでしょう。

とくにスロットのようなシンプルでわかりやすいゲームが人気で、その場で当たりはずれがわかる「インスタントウィン」形式を組み合わせた企画に適しています。

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オープンキャンペーンの種類④ハガキ


一部では根強く残っているシンプルなキャンペーン形態です。アンケートやクイズなどに答え、必要事項を記入したハガキをポストに投函すれば応募完了です。

ハガキキャンペーンの最大の利点は、デジタルに慣れていない中高年層を取り込める点です。

都心部から離れた郊外の小売チェーンなどはターゲットの年齢層が高く、一気にデジタル化を進めるのは難しいでしょう。

そのような場合は、ハガキとWEBどちらからでも応募できる選択型スキームにして、段階的にデジタル化を進める方法もあります。

オープンキャンペーンのメリット

オープンキャンペーンのメリットを媒体ごとにまとめました。

キャンペーンの種類おもなメリット・期待できる効果
SNS
(X(旧Twitter))
(Instagram)
(TikTok)
うまくいけば話題になる
拡散されやすい
公式アカウントの認知向上
フォロワーの新規獲得
LINE友だち登録の新規獲得
友だちブロックの解除
メッセージの開封率が高い
WEB・アプリアプリのダウンロード
アプリの活用促進
来店のきっかけ作り
会員登録の増加
ハガキデジタルが苦手な層の取り込み

細かい点は媒体により異なりますが、オープンキャンペーンで期待できる効果は次のとおりです。クローズドキャンペーンと比較すると分かりやすいでしょう。

  • オープンキャンペーン:潜在顧客を取り込める(知ってもらう・試してもらう)
  • クローズドキャンペーン:直接的な売上効果を見込める(買ってもらう・使ってもらう

参加ハードルの低いオープンキャンペーンは認知度を上げやすい点がメリットなので、新商品や、発売して日の浅い商品のPRなどに向いています。

オープンキャンペーンのデメリット

商品の購入やサービスの導入を参加条件にしないため、売上に直結しづらいのが最大の弱点です。応募が殺到すると当選確率が下がるため、参加者のモチベーション低下の懸念もあるでしょう。

SNSを利用する場合は、ガイドラインの遵守など運営側の負担も大きくなります。

キャンペーンが話題になっても、潜在顧客と長期的な関係を結べるかどうかは、やってみないとわかりません。

オープンキャンペーンの注意点

オープンキャンペーンの注意点は以下2つあります。

  • 使用するプラットフォームのルールに従う
  • 景品の来店引き換えは景品表示法に注意する

一つずつ見ていきましょう。

 

使用するプラットフォームのルールに従う


キャンペーンでSNSを活用する際には、プラットフォームのガイドラインをチェックすることが大切です。
たとえば、X(旧Twitter)ではキャンペーンについて次のような規制があります。

  • 複数アカウントを作成させない
  • 繰り返し同じツイートをさせない
  • 主催者の@ユーザー名を含めてツイートしてもらう
  • キャンペーンに関連する話題を盛り込むように推奨する
  • Xルールに準拠する
  • 適用法令および規制
    (引用:キャンペーンの実施についてのガイドライン

キャンペーンの参加目的により、ユーザーが良識を欠いた行動に出ないためにも、ルールの遵守は必要です。企画する側も、話題性や拡散性だけに踊らされることのないよう注意しましょう。

 

景品の来店引き換えは景品表示法に注意する


インターネット上のキャンペーン企画は、原則として景品表示法の規制対象にはなりません。しかし景品の引き換えを店舗で行う場合に限り、取引付随性が認められ、規制対象になる場合があるので注意しましょう。

また、来店での引き換えは店舗スタッフの負担になるため、オペレーションにも配慮が必要です。事前に本部と店舗で打ち合わせて、当日のシミュレーションをしておきましょう。

店舗の立地により繁忙な時間帯や常在スタッフの人数が異なるので、なるべくシンプルな運用を心がけてください。

オープンキャンペーンの企画事例

以下4社の企画事例をご紹介します。

  • 使オープンキャンペーン事例①ローソン
  • オープンキャンペーン事例②ほっかほっか亭
  • オープンキャンペーン事例③LOTTE
  • オープンキャンペーン事例④ダリヤ

一つずつ見ていきましょう。

 

オープンキャンペーン事例①ローソン


実施企業ローソン
キャンペーンの種類X(旧Twitter)
応募条件アカウントフォロー&リポスト
景品マチカフェ カフェラテ(M)/
マイルドエスプレッソラテ(M)
当選人数毎日1万名(合計5万名)
※1日1回応募可

応募条件がシンプルかつ、引き換え店舗がどこにでもある気軽さと当選人数の多さが、十分な応募動機になったXの事例です。

コンビニ店舗での景品引き換えは非計画購買を促しやすく、間接的な売上貢献にもつながります。1日1回応募できるので、ユーザー1人あたりの拡散効果が高いと言えるでしょう。

 

オープンキャンペーン事例②ほっかほっか亭


実施企業ほっかほっか亭
キャンペーンの種類LINEキャンペーン
応募条件LINE友だち追加後アンケートに回答
景品チキン南蛮弁当無料クーポン
当選人数1,000名

人気のお弁当1食分という「当たったら嬉しいが当たらなくても失望しすぎない」景品の魅力度合いと、その場で当落がわかるインスタントウィン形式がうまくマッチしたキャンペーンです。

「当たるかもしれない」と思わせる当選人数の多さも、応募の後押しになりました。

 

オープンキャンペーン事例③LOTTE


実施企業LOTTE
キャンペーンの種類WEBキャンペーン
応募条件会員登録後、応募フォームで
必要事項を記入の上クイズに回答
景品おおきなパイの実
当選人数1,000名

パイの実のキャンペーンでパイの実が当たる直球な企画です。

景品を自社商品にする施策は顧客ロイヤリティが向上しやすく、購入経験のある既存ユーザーが継続購入のリピーターになることを狙えます。

登録フォームの入力が煩雑だと途中で離脱しやすくなるため、その点のみ注意が必要でしょう。

 

オープンキャンペーン事例④ダリヤ


実施企業ダリヤ
キャンペーンの種類X(旧Twitter)
応募条件白髪の悩みや苦労、生まれ変わった
よろこびなどの川柳を、WEBまたはハガキで応募
景品ダリヤ商品の詰め合わせ
当選人数毎月5名

「白髪染めが必要な中高年層」と「川柳」という古風な組み合わせが調和した良質な企画です。ハガキを「書く」行為と川柳を「書く」行為に親和性があるさりげなさも好感が持てます。

応募方法をWEBだけに絞らずハガキを含めた点も、デジタルが苦手な年齢層をうまく捉えました。

まとめ

今は継続的な情報発信だけでなく、顧客のファン化を狙ってSNSを活用する企業が増えています。

誰でも参加できるオープンキャンペーンと、普段から使い慣れているSNSとの掛け合わせは相性がよく、今後も需要は拡大するでしょう。

SNSを使ったオープンキャンペーンなら次のような効果が期待できます。

  • 商品やサービスのPRや認知拡大
  • 潜在顧客の取り込み
  • フォロワーの新規獲得
  • サンプリングや来店誘致

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