クローズドキャンペーンとは?
景品表示法の注意点も合わせてご紹介

クローズドキャンペーンとは?景品表示法の注意点も合わせてご紹介

「クローズドキャンペーンとはどのようなキャンペーンなのか」「実際にどのようなクローズドキャンペーンが実施されているのか」「クローズドキャンペーンを実施する場合にはどのような点に注意すればよいのか」など、疑問に感じているのではないでしょうか?

本記事では、クローズドキャンペーンの概要からオープンキャンペーン・マストバイキャンペーンとの違い、実施するメリット、景品表示法、おすすめの抽選形式、成功事例について解説します。

クローズドキャンペーンとは?

クローズドキャンペーンとは、商品を購入した人や店舗へ直接来店した人など、キャンペーンに参加できる人を制限した上で実施するキャンペーンです。

キャンペーンに参加する側としては、参加条件に制約を設けている分、当たる確率が高いというメリットがあります。

一方、キャンペーンを実施する側としては、当選者に提供する景品の価値については景品表示法の制約に従わなければいけません。

 

オープンキャンペーンとの違い


オープンキャンペーンとは、商品・サービスの購入や店舗への来店といった「取引に付随」して実施されてないキャンペーンです。

景品表示法上、商品・サービスの利用者や、来店者を対象として金品等を提供する場合は、「取引に付随」して提供するものとみなされ、景品規制の適用対象となります。

他方、新聞、テレビ、雑誌、ウェブサイト等で企画内容を広く告知し、商品・サービスの購入や来店を条件とせず、郵便はがき、ファクシミリ、ウェブサイト、電子メール等で申し込むことができ、抽選で金品等が提供される企画には、景品規制は適用されません。このような企画は、一般に「オープン懸賞」と呼ばれています。

オープン懸賞で提供できる金品等の最高額は、従来、1000万円とされていましたが、平成18年4月に規制が撤廃され、現在では、提供できる金品等に具体的な上限額の定めはありません。

引用:消費者庁「オープン懸賞(参考)

具体的には、以下のようなキャンペーンがオープンキャンペーンに該当します。

  • オンラインショッピングサイトで無料の会員登録をした人への景品提供
  • 無料のアプリをダウンロードした人への景品提供
  • 自社SNSアカウントをフォロー&リツイートした人への景品提供
  • 自社SNSアカウントをフォロー&指定したハッシュタグ(#)を付けて投稿した人への景品提供
  • 商品・サービスの購入を伴わずホームページから応募できる懸賞

参考資料:消費者庁「取引に付随しない懸賞(いわゆるオープン懸賞)

クローズドキャンペーンとオープンキャンペーンとの違いは、自社が提供する商品やサービスを購入・利用していない人でもキャンペーンに参加できるかです。

たとえば、自社Instagramアカウントをフォローしたうえで、指定したハッシュタグ(#)を付けた人が参加できる場合は、オープンキャンペーンとみなされます。

一方、商品の画像や使用感を投稿することを条件としている場合、「商品・サービスを購入することに直ちにつながる」とみなされるため、クローズドキャンペーンとなります。

 

マストバイキャンペーンとの違い


マストバイキャンペーンとは、購入したレシートや商品に印刷されたシリアルナンバー・QRコードなど、購買証明を提供した人が参加できるキャンペーンを指します。

クローズドキャンペーンとマストバイキャンペーンとの違いは、購買証明の提供を求めるかどうかです。

たとえば、購買証明の提供は不要で誰でも参加できるものの、景品をもらうために店舗へ訪れる必要がある場合には、クローズドキャンペーンとなります。

一方、景品が直接郵送され店舗へ訪れる必要はないものの、購買証明の提供をしなければ参加できないキャンペーンはマストバイキャンペーンです。

つまり、マストバイキャンペーンはクローズドキャンペーンに内包されるキャンペーンとなります。

ただし、マストバイキャンペーンに該当しないクローズドキャンペーンが少ないことから、マストバイキャンペーンとクローズドキャンペーンを同じ意味で使用するケースが多いようです。

また、景品表示法の観点ではオープンキャンペーンに該当しないキャンペーンはすべてクローズドキャンペーンであり、マストバイキャンペーンという分類はありません。

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クローズドキャンペーンを実施するメリット

クローズドキャンペーンを実施するメリットは以下の通りです。

  • 売上に直結する
  • 見込み顧客に直接アプローチできる
  • ブランディング効果が期待できる
  • 競合他社との差別化に繋がる
  • 手間や時間をかけずに実施できる

 

売上に直結する


クローズドキャンペーンを実施するメリットの1つ目は、売上に直結することです。

オープンキャンペーンは誰でも参加できるため、自社の商品・サービスを購入したり利用したりしてもらえず売上に繋がらないかもしれません。

一方、クローズドキャンペーンは商品・サービスの購入・利用が条件なので、すくなくともキャンペーンに参加した人数分の売上は期待できます。

また、商品を納品するメーカー側としても、小売店に対して売上の増加が見込める施策として提案することが可能です。

 

見込み顧客に直接アプローチできる


クローズドキャンペーンを実施するメリットの2つ目は、見込み顧客にアプローチできることです。

オープンキャンペーンを実施した場合、自社の商品・サービスを購入したり利用したりする見込みがない人ばかりが参加してしまう恐れがあります。

一方、クローズドキャンペーンは商品・サービスを購入・利用した人だけに参加してもらえるため、見込み顧客に限定してアプローチすることが可能です。

 

ブランディング効果が期待できる


クローズドキャンペーンを実施するメリットの3つ目は、ブランディング効果が期待できることです。

キャンペーンを実施せずに商品を販売しているだけだと、店頭で自社の商品を目にしたことがある人にしか商品の存在を認知してもらえません。

一方、クローズドキャンペーンを実施すれば商品を購入したことがない人や目にしたことがない人に対してもアピールでき、商品の認知度を高めることができます。

 

競合他社との差別化に繋がる


クローズドキャンペーンを実施するメリットの4つ目は、競合他社との差別化に繋がることです。

機能性や特徴に大きな差がないカテゴリーの商品の場合、価格以外に競合他社との違いを出すことが困難な場合もあるでしょう。

ペットボトル飲料のようにある程度価格を揃えて販売している商品だと自社商品だけを安く販売してもらえないことが多く、安く販売してもらうとしても利益を圧迫してしまいます。

一方、クローズドキャンペーンを実施すれば競合他社との違いをアピールでき、新たに商品を取り扱ってもらえたり、売り場のシェアを拡大できたりするかもしれません。

 

手間や時間をかけずに実施できる


クローズドキャンペーンを実施するメリットの5つ目は、手間や時間をかけずに実施できることです。

以前までのクローズドキャンペーンは店頭に備え付けられた応募用紙やハガキで応募してもらう仕組みだったので、受付から抽選、景品の発送まで手間や時間がかかっていました。

しかし、近年ではWEBシステムを利用してクローズドキャンペーンを実施することができるようになったため、自社スタッフの負担を大きく軽減することが可能です。

ほとんどの作業はWEB上で自動的に実行されるため、手間や時間をかけずにクローズドキャンペーンを実施できます。

クローズドキャンペーンで気を付けるべき景品表示法

オープンキャンペーンを実施する場合には自由に景品を決めることができますが、クローズドキャンペーンの景品を決める場合には景品表示法に従う必要があります。

景品表示法を無視して高額な景品を提供すると、景品表示法違反行為とみなされ措置命令などの措置が採られてしまうかもしれません。

 

景品表示法とは


景品表示法とは、過大な景品付き販売によって消費者が不利益を被ることがないように、景品類の最高額や総額等を規制する法律です。正式には不当景品類及び不当表示防止法といいます。

 

景品表示法による景品の定義


景品表示法による景品の定義は以下の通りです。
(1)顧客を誘引するための手段として、
(2)事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する
(3)物品、金銭その他の経済上の利益

引用:消費者庁「景品類の定義

キャンペーンで当選者に提供する景品が景品表示法上の「景品類」に該当する場合、景品表示法に基づく景品規制が適用されます。

 

景品表示法によるクローズドキャンペーンの分類


景品表示法では、クローズドキャンペーンを以下の3つに分類しています。

  • 一般懸賞に関するもの
  • 共同懸賞に関するもの
  • 総付景品に関するもの

一般懸賞とは、商品・サービスを利用した人を対象に実施し、くじその他偶然性を利用して定める方法や特定の行為の優劣又は正誤によって定める方法によって景品類を提供する懸賞のうち、共同懸賞に該当しない懸賞です。

共同懸賞とは、一定の地域の小売業者が共同で実施したり、商店街に所属する店舗が共同で実施したりするといった、複数の事業者が参加して行う懸賞です。

共同懸賞の景品類の限度額は、一般懸賞よりも高く設定されています。

総付景品とは、来店者全員へ提供するポイントや指定した商品を購入した人へ必ず景品を提供する場合など、抽選などの懸賞ではない方法で提供される景品類です。

実施するクローズドキャンペーンが上記のどれに該当するかによって、景品の上限額が異なります。

 

景品表示法に基づく景品の上限


景品表示法に基づく景品の上限は以下の通りです。

一般懸賞における景品類の限度額

懸賞による取引価額最高額総額
5,000円未満取引価額の20倍懸賞に係る売上予定総額の2%
5,000円以上10万円懸賞に係る売上予定総額の2%

共同懸賞における景品類の限度額

最高額総額
取引価額にかかわらず30万円懸賞に係る売上予定総額の3%

総付景品の限度額

取引価額景品類の最高額
1,000円未満200円
1,000円以上取引価額の10分の2

参考資料:消費者庁「景品規制の概要

クローズドキャンペーンでおすすめの抽選形式

クローズドキャンペーンでおすすめの抽選形式は以下の通りです。

  • 後日抽選
  • インスタントウィン
  • マイレージ形式

それぞれの抽選方法の特徴を解説します。

 

後日抽選


「後日抽選」とは、応募期間終了後にまとめて抽選を行い、当選者に景品を送る抽選形式です。

主に、高額な商品を景品にするクローズドキャンペーンで採用されています。

当選者数が少なく当選確率が低いと判断されやすいため、応募条件を満たしているにもかかわらず参加しない人の割合が高い抽選形式です。

作業の大半はシステムで自動化できますが、景品の発送については自社で対応する必要があります。

 

インスタントウィン


「インスタントウィン」とは、クローズドキャンペーン参加と抽選が同時に行われ、結果がすぐに分かる抽選形式です。

WEB上で実施されるインスタントウィンとアナログ形式で実施されるインスタントウィンの2種類があります。

WEB上で実施されるインスタントウィンは、主に単価が低いデジタルデータを景品にするクローズドキャンペーンで採用されています。

ガラポン抽選会やスクラッチといったアナログ形式で実施されるインスタントウィンでは、その場で持って帰ることができる実物を景品とするケースが多いです。

いずれの形式も、抽選結果がすぐに分かることや指名や住所などの個人情報を明かすことなく景品を受け取れることから、参加してもらえる可能性が高い抽選形式となっています。

WEB上で実施されるインスタントウィンはすべての工程がシステム上で完結するため、人的な手間はほとんどかかりません。

一方、アナログ形式で実施されるインスタントウィンは抽選会場の準備や人員の確保、景品の選別、景品の確保など非常に手間や時間がかかります。

同じインスタントウィンでもWEB形式かアナログ形式かで手間と時間に大きな差があるため、どちらの形式で実施するべきかを検討するようにしましょう。

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マイレージ形式


「マイレージ形式」とは、特定の商品を複数購入した人を対象として実施するクローズドキャンペーンです。

商品ごとに設定されたポイントを貯めて応募するコースを選択できる形式や、指定された点数を購入することで必ず景品がもらえる形式があります。

半年や1年といった長期で実施されることが多く、特定の商品だけを購入してもらいたい場合や継続して購入してもらいたい場合に最適な抽選形式です。

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クローズドキャンペーンの成功事例

ツルハドラッグ×レシートキャンペーン


応募期間2023年12月1日(金)~2024年2月7日(水)
対象商品ユニリーバ全製品(ヴァセリンを除く)
対象店舗ツルハグループ
(ツルハドラッグ/くすりの福太郎/
ドラッグストアウェルネス/ウォンツ/レデイ薬局/杏林堂薬局/
B&Dドラッグストア/ドラッグイレブン)
応募方法Webサイト応募フォームにレシート画像をアップ
賞品<自分にイイコトコース>
●福岡「博多華味鳥」水たきセット:50名様
●新潟県産コシヒカリ 5㎏×2袋:50名様
●ご応募いただいた方全員にもれなく
ツルハグループポイント「100ポイント」をプレゼント

参考資料:ツルハドラッグ「キャンペーン

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びっくりドンキー×LINEレシートキャンペーン


応募期間2023年1月25日(水)~2月28日(火)
対象商品びっくりドンキーで提供されている
ビール関連商品

フランボワーズレッド 期間限定
ノンアルフランボワーズレッド 期間限定
ドンキーハウスビール〈樽生〉小・中・大
ドンキーハウスビール〈樽生〉セット
ドンキー!フリー
スタウト!フリー
対象店舗びっくりドンキー
賞品びっくりドンキーお食事券10,000円分
50名様

応募手順

  1. 対象商品を注文する
  2. キャンペーン用のLINEアカウントの友達追加をする
  3. LINEのメニューからキャンペーンのページへ進む
  4. レシートをアップロードし、必要事項を入力

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米久株式会社×レシートマイレージキャンペーン


応募期間2023年9月28日~2023年12月25日
応募方法対象商品を購入したレシートを撮影・登録

対象商品・獲得ポイント

対象商品ポイント
御殿場高原あらびきポーク(190g)3ポイント
御殿場高原あらびきポーク(大容量パック 640g以上の商品)9ポイント
原形ベーコンブロック3ポイント
肉だんご甘酢だれ付2ポイント

景品・必要ポイント・当選者数

景品必要ポイント当選者数
500円分のギフトカード2ポイント500名様
5,000円分のギフトカード9ポイント400名様
50,000円分のギフトカード24ポイント400名様

応募手順

  1. 「マイぺージを作成する」ボタンよりマイページを作成し、ログイン
  2. マイページの「ポイントをためる」ボタンから、対象商品を購入したレシートを撮影・登録
  3. ポイントが溜まったら、マイページの「ポイントで応募」ボタンから、コースを選んで応募

※郵便ハガキでも応募可能

 

株式会社菊水×インスタントウィンキャンペーン


応募期間 2023年4月10日(月)〜2023年7月10日(月)
対象商品対象の菊水生ラーメン1点以上

サッポロ冷し中華レモン風味醤油だれ 2人前
サッポロ冷し中華ごまだれ 2人前
サッポロ冷し中華 ごま油香る醤油だれ 2人前
など
当選形式スロット
賞品選べるデジタルギフト1,000円分 2,000名様

応募手順

  1. 「メールアドレスで応募する」をクリック
  2. 応募フォームと簡単なアンケートを入力
  3. レシートを撮影して応募
  4. スロットにチャレンジ

 

西鉄ストア×日本ハム×後日抽選


応募期間2022年7月1日(金)〜2022年8月31日(水)
対象商品ニッポンハム全商品
対象店舗西鉄ストア
当選形式後日抽選
賞品キッザニア福岡入場券 30組60名様

応募手順

  1. ニッポンハム商品1点以上を含む500円(税込)以上お買い上げのレシートを撮影
  2. 応募フォームより必要事項を入力
  3. 景品の送付先を入力

まとめ

クローズドキャンペーンは、見込み顧客に直接アプローチでき、応募者からの売上も見込めるキャンペーンです。

景品表示法に従って景品を選定する必要はありますが、競合他社との差別化に繋がり、来店頻度や客単価向上も期待できます。

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