無料の試供品を全員プレゼントするには?景品表示法の判定と上限額を解説

無料の試供品を全員プレゼントする企画と景品表示法の判定

試供品の全員プレゼントは、応募方法と提供までの運用設計で工数が変わります。itsmonでは、キャンペーンの設計から応募管理、キャンペーン事務局運営まで支援しています。企画の進め方を早く固めたい場合は、お問い合わせください。

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「新商品を試してもらうために、無料の試供品を全員プレゼントしたい」「試供品なら景品表示法は関係ないはずだが、根拠を聞かれると答えられない」。食品・飲料・日用品メーカーの販促担当者からは、こうした声が上がります。

結論から言えば、判断を分けるのは試供品の金額ではありません。景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)の規制を受けるかどうかは、誰にどのような条件で渡すかで決まります。

本記事では、消費者庁が示す景品類の考え方をもとに、企画パターン別の判定方法を整理します。パターンごとに実在の事例を並べているため、自社の企画に近い事例とあわせて確認できます。あわせて上限額の考え方と、全員へ届けるまでの実施手順も解説します。

【結論】試供品の全員プレゼントは渡し方で規制の有無が変わります

無料の試供品を全員プレゼントする企画は、「取引に付随して渡すか」と「見本として適当な範囲か」の2点で扱いが分かれます。判断に必要な要点を先にまとめます。

  • 購入や来店を条件にせず、購入者や来店者を主な対象にもしない試供品は、景品規制の対象外として整理する。
  • 購入者へもれなく渡す試供品は、見本の範囲を超えれば総付景品の上限額を確認する。
  • 上限額は取引価額(対象商品の購入金額)で決まるため、企画確定前に価額を算出して法務確認へ回す。

1. 無料の試供品を全員プレゼントする企画の基本

無料の試供品を全員プレゼントする企画は、渡す相手と条件によって扱いが変わります。景品表示法で重視されるのは、提供物そのものではなく、どのような取引に付随して提供されるかだからです。試供品と全員プレゼントの意味を整理したうえで、企画を4つのパターンに分けます。

1-1. 試供品(見本)とは

試供品とは、商品の内容や特徴、品質を試してもらうために無料で提供する商品やサービスです。景品表示法の判断では、配るものが内容を知らせるための見本なのか、購入に対するおまけなのかが分かれ目になります。どちらに当たるかを企画書の段階で言語化してください。

1-2. 全員プレゼント(総付)とは

全員プレゼントとは、抽選などによらず、条件を満たした対象者へもれなく提供する方式です。景品表示法では「総付景品(ベタ付け景品)」に当たります。総付景品は、全員に渡す場合だけでなく、購入の申込み順や来店の先着順で渡す場合も含む分類です。なお、抽選で当選者を決める場合は全員プレゼントではなく懸賞となり、総付景品とは別の規制(上限額の定め方など)を受けます。

1-3. 企画は4つのパターンに分かれる

無料の試供品を全員プレゼントする企画は、購入条件の有無と応募の要否で4つのパターンに整理できます。購入条件があるかが景品表示法上の分岐になり、応募の要否は運用工数を左右します。自社の企画がどれに当たるかを、表で確認してください。各パターンの判定と事例は、第3章で順に解説します。

記号 企画パターン 購入条件 応募の要否 事例(第3章)
A 誰でも申し込める無料サンプル配布 なし 必要 花王(メリーズ)、日本製紙クレシア(アクティ)
B 店頭での自由配布・試食 なし 不要 フタバ食品(サクレ)、井村屋(あずきバー)
C 購入者全員への試供品提供 あり 不要 オルビス、ファンケル
D 応募者全員プレゼント あり 必要 花王(ソフィーナ iP)、ロート製薬(オバジ)

本記事では、以降もこの記号で各パターンを示します。

出典:総付景品について、景品規制の概要

2. 試供品は景品表示法の景品類に当たるのか

試供品も、取引に付随して提供すれば景品類に当たります。ただし見本その他宣伝用の物品として適当と認められる範囲なら、総付景品の規制は適用されません。無条件の適用除外ではないため、景品類の3要件、見本の除外、除外が認められる条件の順に確認します。購入者へ渡す場合の扱いは、第3章のパターンC・Dで続けて解説します。

2-1. 景品類の3要件で判定する

景品表示法上の景品類とは、顧客を誘引するための手段として事業者が自己の供給する商品やサービスの取引に付随して提供する、物品や金銭その他の経済上の利益です。3つの要件をすべて満たす場合に景品類となります。まず確認するのは取引付随性(購入や来店など、取引に付いて提供されること)です。購入や来店を条件にせず、購入者や来店者を主な対象にもしなければ、景品規制の対象外として整理できます。

2-2. 見本・宣伝用物品には総付景品の規制が適用されない

見本その他宣伝用の物品またはサービスであって、正常な商慣習(取引の場で一般に認められている慣行)に照らして適当と認められるものには、景品類に該当する場合であっても総付景品の規制が適用されません。試供品がこの範囲に収まるかが判断の分かれ目です。名称を付けただけでは除外されないため、次項の条件を企画書の段階で確認してください。

2-3. 見本として認められるための条件

見本品として規制の適用を受けないためには、正常な商慣習に照らして適当と認められること、つまり業界の実態から見て無理のない範囲であることが必要です。消費者庁は、市販されている商品そのものを提供する場合、最小取引単位(商品の最も小さい販売単位)であり、試食や試用等のためのものである旨が明確に表示されていることが必要だとしています。確認するのは、最小取引単位であること・試用目的の表示・配布数量が必要な限度に収まることの3点です。本記事では、この3点を「見本の3条件」と呼びます。

出典:景品規制の概要、総付景品について、景品規制について

3. パターン別|判定のしかたと事例(A〜D)

最初の分岐は購入条件の有無です。購入条件がなければパターンA・B、あればC・Dとなり、第2章の基準を当てはめて確認します。ここでは、A→B→C→Dの順に、判定のしかたと事例を続けて解説します。各事例の末尾に「この事例から分かること」を添えているので、自社の企画と見比べてください。

3-1. パターンA|誰でも申し込める無料サンプル配布

購入や来店を条件にせず、購入者や来店者を主な対象にもしない試供品は、取引に付随しないため景品規制の対象外として整理できます。Webフォームでの申込受付が該当例です。見落としやすいのは応募フォームで、購入歴の入力を必須にすると購入を条件としていると評価される可能性があります。公開前に見直してください。

  • 取引付随性:なし
  • 景品規制の考え方:取引に付随しないため景品規制の対象外として整理できる
  • 確認すること:購入・来店を応募条件にしていないか、購入者を主な対象にしていないか

事例① 花王「メリーズ 毎月サンプルプレゼント」

Webフォームからの応募で試供品を受け取れる企画で、応募ページに購入条件の記載はありません。提供物はテープタイプ3枚セットまたはパンツタイプ2枚セットで、先着で毎月合計7,500名(テープタイプ6,000名、パンツタイプ1,500名)に提供され、2026年12月まで実施されています。購入を条件にしない配布として、取引に付随しない配布に整理できます。

この事例から分かること:購入条件を置かず、先着で人数を区切っています。購入を条件にしない応募型のサンプル配布の、典型的な形です。

事例② 日本製紙クレシア「アクティ Wの素材で快適パンツ 無料サンプルセットプレゼント」

Webからの応募で、うす型と長時間の両方を試せるサンプルセットを受け取れる企画です。応募期間は2026年8月3日から8月31日で、先着2,000名に提供され、予定数に達し次第終了となりました。応募は1世帯1回限りで、発送は9月末までの予定でした。公式ページに購入条件の記載はなく、すでに終了しています。

この事例から分かること:「1世帯1回限り」「先着2,000名」と、応募の上限と数量の上限を応募要項に明記しています。第5章で扱う、数量の見積もりと重複応募への対策の参考になります。

出典:メリーズ 毎月サンプルプレゼント、アクティ 無料サンプルセットプレゼント

3-2. パターンB|店頭での自由配布・試食

会場での試食や路上・イベントでの配布も、購入や来店を条件にせず、購入者や来店者を主な対象にもしなければ、取引に付随しないため景品規制の対象外として整理できます。ただし、自店の来店者だけに配る場合は来店者への景品提供として扱われる可能性があるため、見本の範囲に収まるかを確認してください。

  • 取引付随性:なし(自店の来店者のみが対象の場合は要確認)
  • 景品規制の考え方:取引に付随しないため景品規制の対象外として整理できる。自店の来店者のみが対象なら、見本の範囲かを確認する
  • 確認すること:配布数量が必要な限度を超えていないか

事例① フタバ食品「サクレレモン」の会場での無料配布

フタバ食品は、2026年6月から8月に全国6会場で「サクレレモン」の無料配布イベントを実施しました。条件は先着順で、なくなり次第終了です。配布個数は大阪会場1,500個、東京会場1,500個など会場ごとに公表されています(いずれも予定数)。発表文には購入や応募を求める記載がなく、取引に付随しない配布として、景品規制の対象外として整理できます。

この事例から分かること:購入・応募の条件を置かず、先着順と会場ごとの予定数だけを示しています。条件と数量の両方を発表文に明記しておくと、配布の趣旨が伝わります。

事例② 井村屋「あずきバー祭り2026」

2026年6月26日・27日に、東京・名古屋・大阪・福岡天神の4都市で、あずきバーを合計約15,500本無料で配布したイベントです。配布は会場ごとに複数回に分けて行われ、1人1本1回限りで、予定数量に達し次第終了とされました。発表には購入や応募を求める記載がなく、取引に付随しない配布として整理できます。すでに終了しています。

この事例から分かること:「1人1本1回限り」と各回の配布数で、配布数量を必要な限度に区切っています。パターンBで確認する「配布数量」の考え方を、そのまま運用に落とした形です。

出典:全国6会場でサクレ無料配布イベントを開催、井村屋グループ プレスリリース「あずきバー祭り2026」(2026年6月2日)

3-3. パターンC|購入者全員に同梱・手渡しする

購入者全員へ試供品を渡す企画は、見本として適当な限度に収まるかどうかで扱いが分かれます。購入を条件にした時点で取引付随性が生じ、見本の範囲を超えれば総付景品の規制を受けるためです。同じ試供品でも、購入者にもれなく提供する形式では、総付景品として扱われる場合があります。販売中の商品をそのまま付ける場合は、最小取引単位で、試用のためのものと明確に表示されている必要があります。確認するのは2-3で示した見本の3条件です。詳しくは購入者限定のキャンペーンの考え方もご覧ください。

  • 取引付随性:あり
  • 景品規制の考え方:見本として適当な限度なら対象外。超える場合は総付景品
  • 確認すること:最小取引単位か、試用目的の表示があるか

事例① オルビスの購入時に選べるサンプル

オルビスの公式オンラインショップでは、注文時に商品と一緒にサンプルを選んで申し込めます。サンプルのみの申込みは受け付けておらず、購入が前提となる形式です。選べる数は注文商品の合計個数までと定められ、対象はスキンケアなど一部の化粧品のサンプルです。別途の応募手続きがなく、購入者へ提供するため、パターンCに当たります。

この事例から分かること:「サンプルのみの申込み不可」は、購入が前提の提供であることを示す条件です。選べる数が注文商品の個数に連動する点も、購入と提供が結びついていることを表しています。

事例② ファンケル直営店舗「うるおいクレンジング・洗顔ミニセット」

2026年4月20日付のプレスリリースで発表された、直営店舗限定の企画です。「トイロ バイタライジング」または「トイロ バランシング」の化粧液と乳液を同時に購入すると、洗顔料(20g)とクレンジングオイル(20mL)、ポーチのミニセットがプレゼントされます。数量限定で、お一人様1セット1回限り、メンバーズ限定です。別途の応募手続きの記載はなく、購入者へ提供するため、パターンCに当たります。実施状況は発表時点の内容のため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

この事例から分かること:「化粧液と乳液の同時購入」が提供の条件で、取引付随性があります。提供物が見本の範囲に収まるかは、見本の3条件で確認します。購入条件の組み方は、第4章で扱う取引価額の算出にも関わります。

出典:オンラインショップでサンプルはもらえますか?、ファンケル プレスリリース「4月開始キャンペーンのご紹介」(2026年4月20日)

3-4. パターンD|応募者全員プレゼント

購入を条件とした応募者全員プレゼントは、総付景品として上限額の確認が必要です。懸賞によらず購入者へもれなく提供する形式に当たり、レシート応募やシリアル応募で購入を確認する企画が該当します。確認するのは、対象商品の取引価額・景品類の価額・上限額の3点です。上限額の考え方は第4章で解説します。

  • 取引付随性:あり
  • 景品規制の考え方:総付景品として上限額を確認する
  • 確認すること:取引価額と景品類の価額を算出したか

事例① 花王「ソフィーナ iP 対象商品2点ご購入で全員もらえるプレゼントキャンペーン」

対象商品を2品購入したレシートで応募すると、応募者全員がミニ缶(30g)の美容液を受け取れる企画でした。ミニ缶は2種類から選べ、1本で1週間分のミニサンプルです。レシート対象期間は2026年4月14日から6月30日で、応募は1人最大4口まで。購入を条件に、応募者へもれなく試供品を提供するため、パターンDに当たります。

この事例から分かること:「対象商品2点の購入」が条件のため、取引価額は2点分の購入金額を起点に考えます(4-2参照)。応募に「1人最大4口」の上限も設けています。

事例② ロート製薬「絶対もらえる!オバジ購入キャンペーン」

オバジ製品の購入金額に応じて、ミニサイズの商品がもれなくもらえる企画です。12,100円(税込)以上でAコース(日焼け止め乳液・化粧下地のミニサイズ5g)、22,000円以上でBコース(Aに化粧水・乳液のミニサイズを追加)、44,000円以上でCコース(Bに洗顔パウダー・クリーム・ポーチを追加)が対象です。レシート対象期間は2026年2月1日から12月31日で、応募はLINEでレシート画像をアップロードする方式、応募は1人2回までです。購入を条件に、応募者へもれなく提供するため、パターンDに当たります。

この事例から分かること:購入金額ごとにコースを分けているため、各コースの購入金額が取引価額を確認する際の起点になります。あわせて、受付と発送を4つの期間に区切っており、応募の多さに合わせた運用の組み方も参考になります。

出典:対象商品2点ご購入で全員もらえるプレゼントキャンペーン、絶対もらえる!オバジ購入キャンペーン(公式キャンペーンサイト)

3-5. 判定できないときの進め方

判定に迷う企画は担当者だけで結論を出さず、条件を整理して法務の確認へ回します。見本の該当性は、物の内容・提供方法・数量・業界の実態を総合して判断されるためです。渡す情報は、対象商品・取引価額・試供品の価額・配布条件です。なお本記事は一般的な整理であり、法的助言ではありません。

出典(3章の判定全般):総付景品について、景品規制について、景品規制の概要

4. 総付景品に当たる場合の上限額と確認手順

総付景品の上限額は、取引価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2です。景品類の額が取引価額に連動する形で定められているためです。上限額の基本、取引価額で迷う場合の整理、2026年時点の見直し議論を順に確認します。

4-1. 上限額は取引価額で決まる

総付景品の上限額は、取引価額1,000円未満で200円、1,000円以上で取引価額の10分の2です。

取引価額 景品類の上限額
1,000円未満 200円
1,000円以上 取引価額の10分の2

※取引価額と景品類の価額は、いずれも消費税を含んだ金額で判断します。

提供する試供品の価額が上限額を超えていないかを、企画の確定前に算出してください。上限額は取引価額に連動するため、対象商品の価格帯が変われば景品の額も変わります。

4-2. 取引価額の考え方で迷う場合

取引価額は対象商品の販売価格を基準に判断します。消費者庁は、景品類の提供を受けるのに必要な取引のうち最低の金額を取引価額とし、平均値は使えないとしています。価格帯の異なる商品を含める場合は、最低価格の商品が基準です。なお、メーカーが実施する企画では、実施地域での対象商品の通常の販売価格を基準にします。計算方法は総付景品の上限額の計算例と早見表をご覧ください。

4-3. 上限額の見直しが議題に上がっている

総付景品の上限額については、引き上げの是非が政府の会議で議題になっています。規制改革推進会議のスタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループでは、2026年(令和8年)4月13日の第13回会合で「消費の活性化に向けた総付景品の上限額の引上げについて」が議題となりました。2026年8月には、消費者庁も引き上げを検討していると報じられています。検討の段階であり、消費者庁のQ&Aで示されている上限額は変更されていません。実施の際は最新の情報をご確認ください。

出典:総付景品について、景品規制について、規制改革推進会議 スタートアップ・イノベーション促進WG(第13回)議事次第、景品上限金額、引き上げ検討(共同通信配信、2026年8月29日)

上限額の確認まで済んだら、次は応募受付と提供の設計です。itsmonでは、レシート応募型キャンペーンやシリアル応募型キャンペーンの設計、応募管理、キャンペーン事務局運営まで支援しています。実施のイメージをつかみたい場合は、資料をご覧ください。

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5. 試供品の全員プレゼントで起きやすい失敗と対策

試供品の全員プレゼントでつまずく原因の多くは、法令ではなく数量や表示、応募管理の設計にあります。全員に提供する前提では、応募が伸びた分だけ必要数量と対応工数が増えるためです。数量の見積もり・応募条件の表示・重複応募への対策の3点を、対策とあわせて確認します。

5-1. 数量を見誤り期間内に終了する

全員プレゼントは提供数の見通しが立てにくいため、数量の上限と終了条件を事前に決めておきます。応募数がそのまま必要数量になるからです。想定以上に告知が広がると在庫が尽き、企画を途中で終了せざるを得なくなることがあります。配布予定数と上限到達時の告知方法を応募要項へ書いておけば、根拠をもって説明できます。

5-2. 応募条件・景品内容の表示が曖昧になる

対象商品・応募期間・提供物の内容は、応募要項で具体的に示します。条件が不明確だと問い合わせが増え、応募者との認識のずれが起きるためです。対象商品の範囲・必要な購入点数・提供物の数量は企画ごとに表現が変わりやすいため、社内でテンプレート化して公開前に見直せば記載漏れを防げます。

5-3. 重複応募・不正応募への対策がない

応募者全員に提供する企画ほど、重複応募の判定基準を先に決めます。重複がそのまま費用の増加につながるからです。判定基準には、同一レシートの判定・同一アカウントの扱い・1人あたりの応募上限があります。レシートの使い回しなどの不正応募も、同じ基準で防げるようにしておきます。応募要項へ反映しておけば、受付開始後の個別判断を減らせます。

6. 全員プレゼントを全員に届けるまでの実施手順

試供品の全員プレゼントは、応募方法の選定・購入条件の確認・提供方法の決定という順で設計します。前章の失敗を避けるには、受付を開始する前に運用の骨組みを固める必要があるからです。応募方法の選び方から、購入確認と重複判定・提供と通知・itsmonでの進め方までを順に確認します。

6-1. 応募方法を選ぶ

応募方法は、購入確認の有無と手段によって、レシート応募・シリアル応募・応募のみの3通りから選びます。

応募方法 購入確認の方法 向いている企画
レシート応募 レシート画像で購入内容を確認する 購入者へ提供するパターンD
シリアル応募 商品に印字・添付した番号で確認する 対象商品を特定して提供する企画
応募のみ(購入確認なし) 購入確認を行わない 購入を条件にしないパターンA

パターンAは購入確認の工程が不要です。第3章で判定したパターンに合わせて応募方法を選んでください。レシート応募型キャンペーンの仕組みは、itsmonレシートをご覧ください。

6-2. 購入条件の確認と重複判定を設計する

購入条件の確認方法と重複応募の判定基準は、応募受付を開始する前に確定させます。基準を後から変えると、応募者の間で扱いが不均一になるためです。レシート応募では、対象商品・購入日・購入店舗・購入点数のどれを確認するかを決めます。同一レシートの判定方法と応募者を識別する項目も定め、応募要項へ反映します。

6-3. 提供方法と通知を決める

提供方法は、現物発送とデジタル引換から、試供品の性質と提供数に応じて選びます。現物発送は住所の取得と配送の工程が増え、デジタル引換は取得する個人情報を抑えられるためです。取得する個人情報の範囲と提供までの日数を決め、応募要項へ記載します。選び方はサンプリングの配布方法と効果測定で扱っていますので、ご覧ください。

6-4. itsmonで実施する場合の進め方

itsmonは、レシート、シリアル、マイレージ、チャレンジ、SNSキャンペーンなど、企画に合わせて応募方法を選べます。レシート応募ではAI-OCR(画像から文字を自動で抽出する技術)が購入内容を読み取るため、1枚ずつ目視で確認する工程を減らせます。購入を条件にしない形式はitsmonチャレンジをご覧ください。

7. 無料の試供品と全員プレゼントのよくある質問

無料の試供品を全員プレゼントする企画では、判定の入口と金額の数え方、受付前の準備について質問が集まります。条件によって結論が変わる項目もあるため、消費者庁が公表している情報とあわせて回答します。取り上げるのは、社内の確認で論点になりやすい3点です。

Q1. 試供品を無料で配れば景品表示法の対象外ですか

配り方によって変わります。購入や来店を条件にせず、購入者や来店者を主な対象にもしない配布であれば、取引に付随しないため景品規制の対象外として整理できます。一方、購入者限定にすると取引付随性が生じ、見本として適当な限度を超えれば総付景品の規制を受ける点に注意が必要です。判断に迷う場合は総付景品についてをご覧のうえ、対象商品と配布条件を整理して法務へ回してください。

Q2. 購入者全員に渡す試供品に上限額はありますか

総付景品に当たる場合、上限は取引価額1,000円未満で200円、1,000円以上で取引価額の10分の2です。注意したいのは価額の数え方で、仕入価格ではなく提供を受ける側が通常購入する価格で算定します。非売品は入手価格や類似品の市価などを勘案してください。算定の考え方は景品規制についてをご覧ください。

Q3. 応募者全員プレゼントの受付で準備することは

応募要項・購入確認の方法・重複応募の判定基準・提供数量の上限の4点を、受付開始前に確定させます。受付開始後に変えると応募者の扱いが不均一になるため、変更する場合は適用する範囲と時点を応募要項へ明示してください。体制を相談したい場合は、itsmonのお問い合わせから連絡できます。

出典:総付景品について、景品規制について

8. まとめ|無料の試供品を全員プレゼントする前に確認すること

企画の内容が同じでも、渡す相手と条件によって確認すべき規制は変わります。企画書を法務へ回す前に、次の4点を社内で確認してください。

  • 購入や来店を条件にしない配布と、購入者限定の配布を区別して整理する。
  • 購入者へもれなく渡す場合は、見本として適当な限度に収まるかを確認する。
  • 総付景品に当たる場合は、取引価額から上限額を算出して法務確認へ回す。
  • 応募受付の開始前に、購入確認の方法・重複応募の判定基準・提供数量の上限を確定させる。

確認した内容は判断の根拠とあわせて記録に残してください。対象商品や景品が変更になった場合に、再確認する範囲を絞れます。

itsmonでは、レシート応募型キャンペーンやシリアル応募型キャンペーンの設計、応募管理、応募者への通知、キャンペーン事務局運営まで支援しています。試供品の全員プレゼントについて、応募方法や運用体制を相談したい場合は、お問い合わせください。

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